2013/03/11



3.11。自転車で河口まで行って、波打ち際の砂浜から海を見ていた。
14時46分に、海から遠く低く汽笛が聞こえてきた。
空は晴れていて、少し冷たい風が吹いていた。

数分後に突然、港の方からカモメの大きな群れがやってきて、
ちょうどぼくの頭上で舞い上がり始めた。
小さな輪を描いてすごいスピードで飛び交いながらいっきに高度を上げる。
その光景に思わず息を呑んだ。
見上げているうちに首が痛くなるけれど、目が離せない。
カモメたちはなおもぐるぐると回りながら、次第に太陽に近づいてゆく。
強烈な逆光のなかで、黒い影と白い輝きが交錯する。
手をかざして光を遮り、目を凝らして追いかけてみたけれど、
じきにそれが鳥だとわからないほど小さな点になって、
強い光の彼方に吸い込まれていった。

カモメに運ばれて、たくさんの魂が天に帰っていった。

そう感じた。

そうであったらいいなと思った。